猫アレルギーの男の話

この物語の主人公は、

ここでは、「僕」とします。

その方が読んでいて共感性を得られるのではないかと思ったのでそうしてるだけです。

実際の僕と、この物語の僕は、別の人間です。

僕は、猫アレルギーだった。

昔はそんなアレルギーを持っていたなんて、全く分からなかった。

ある時、猫を沢山飼ってる友人の家に行った時にその症状が現れた。

いや正確にはその次の日のことだ。

体中に湿疹と痒みが出た。

元々親が猫を飼っていたがなんの影響も出なかった。だが、その時とばかりは、大事となった。

これまで、僕は車で出かけたりする事は多々あったのだが、遂には車に乗っていてもアレルギー症状が出た。

原因は完全に外での動物との接触だ。

しかし、それがキッカケで、僕の車に乗ることも、外に出ることすら嫌になり、遂には会社まで休むまで発展した。いやもちろん、会社を辞めようなんて気持ちは全くなかったが、身体が、それはもう、ムリ！！そんなのはムリだ！！これ以上はムリだー！！！！となった。

そんな馬鹿な！？だってこれまで何にも影響なかったのに！？

そういえば、鼻がムズムズするような時とかあった。

何てことだ！

だからと言って今家にいる猫を追い出すことなんてできない。

ならば、どうする！？

僕はそうなった次の日からすぐに家中、特に自身の部屋を大掃除した。部屋中を片ずけ、衣類は全部洗濯をして、地面やカーテンやあらゆる部分にコロコロローラークリーナー。をかけた。

どうやら僕は猫アレルギーだけではなく、洗剤などのアレルギーもあるようだったので、その日からシャンプー、トリートメント、ボディーウォッシュ、洗濯洗剤から洗濯用リンス、全てを無添加のものにした。

無添加なものって普通のものより高価だったが、そこは気にしていられない。

部屋中の衣類はその無添加洗剤で洗ったのだ。

部屋で使ったコロコロローラークリーナーも、3巻で1,000円以上する高価な物を使った。どんなものも絡め取る超強力接着のコロコロローラー用のテープだ。

そして次に、車も大掃除した。特に内装面。

足のマットは、水洗いし、内装部分は全て掃除機をかけ、雑巾で拭き上げ、最後に、部屋の時と同様、超強力接着コロコロローラークリーナーを使った。

そして、その日から、出かけるときは、家を出る直前にシャワーで体を洗い(もちろん無添加洗剤で) 、着る予定の服は、洗濯したあと、自分の部屋で部屋干しにし、(庭だと猫の毛がかかる可能性が0とは言い切れないから。) そのまま畳まずにハンガーに掛けた状態の服を着て、外出する。

そして、車に乗り込む直前に、予め車に入れて置いたコロコロローラークリーナーで自分の体中を綺麗にし、それから車に乗り込む。

更には、車から降りてまた乗り込む時も同じように車のシートや足のマットにこれまたコロコロローラークリーナーをかけ、自分にもかけ、そして、帰宅する。

そうやってなんとか、症状を抑えることに成功した。

そして、僕はそれからというもの、毎日365日、何処かへ出掛ける時はこれらの事をやっていました。

しかも誰にも気付かれないように。

隠してた訳ではなくて、そんなこと毎日してるのかと、人に思われるとバカ扱いされると思ってだ。

思えば、これらのこと自体、こうやって書くのも初めてだ。

軽くは誰かに言ったことがあると思う。毎日ローラーかけてる！とか、洗剤は全部無添加にしてるーとかくらい。

でだ、結局何が言いたいかと言うと、

ネコアレルギーと思っていた症状は単なる花粉症だったのだ。

いや、単なると言って済む話ではないが、花粉症の超強力版だったのだろう。

それに気づいてからは、極端にそんなことはしなくなった。

でも、ローテーションの癖みたいのは残ってて、コロコロローラークリーナーは今でも超強力接着を使って掃除をしている。